冒頭の30秒が勝負5つの｢つかみ｣と｢？｣ プレゼン（実践編）｜｢TEDトーク｣最高のプレゼンはここが違う

プレゼンがうまくなるには、つかみと問いかけを意識しよう。

イラスト：十時朱視

特集「無敵の話し方」の他の記事を読む

有名な動画配信プロジェクト「TEDトーク」スタイルでのプレゼンテーションは日本人には合わない。そう感じる人も少なくないかもしれない。10年ほど前に、トヨタ自動車の豊田章男社長がジェスチャーを取り入れ、動き回るスタイルのプレゼンをモーターショーで披露したときは、「やりすぎだ」と眉をひそめる業界関係者もいた。

しかし、それから10年。時代は変わり、リーダーのプレゼンスタイルの主流は、「インフォーマー」（informer）から「パフォーマー」（performer）へと大転換している。前者は演台の後ろで「棒立ち」し、原稿を淡々と「棒読み」して、単に情報を伝えるスタイル。後者はTEDトークのように動き回り、ジェスチャーを交えながら熱の入った訴えかけを行い、聴衆を「総立ち」にさせるスタイルだ。

コロナ禍で、大勢の聴衆を前にしたプレゼンの機会は減ったが、その分、オンラインでのプレゼンの機会が劇的に増加した。アップルやグーグルの発表会のように、「トップや役員、幹部が、まるでユーチューバーのようにプレゼンしなければならない」時代となり、筆者のところにも、「TEDスタイルのプレゼンをコーチングしてほしい」という依頼が増えている。