単に人が集まることや、メディアに取り上げられることでも、一過性の経済効果を謳うことではダメなのです。「地域で資金を回し続けるエンジンを作り出すこと」、すなわち「しっかり利益を出すこと」でしか、地域の持続的な活性化なんて不可能なわけですから。
民間主体で利益と向き合わないと、出口はない
しかし、ここで矛盾がありますよね。
普通に儲けが出るのであれば、普通に地域の個人や銀行から資金調達をして、取り組むことが可能ではないか、と。税金をもらってまで、活性化事業なんてやらなくていいじゃないか、と。
まさに、そこです。
地域活性化に取り組むという名目で資金が流れ、その一回しのシステムの中で食っている人たちにとっては「税金での地域活性化」は不可欠です。しかし地域全体においては、その効果は全く波及しません。「成果を出している事業は、補助金に頼らない」というより、補助金に依存した段階で、もはや「衰退の無限ループ」にハマってしまうわけです。
地方創生に必要なのは、資金調達が可能な事業開発であり、民間が立ち上がって市場と真正面から向き合い、利益と向き合って取り組むことが必要です。成果をあげているのは、民間が立ち上がり、事業を推進している地域ばかりです。
そもそも行政は、利益を出すことなど、やったことがないし、そんな目的で作られていません。政治も同様で、分配の内容やルールこそ決めることができても、稼ぎを出す集団ではありません。つまりは、民間が立ち上がるほか、地方が活力を取り戻すなんてことはないのです。
逆にいえば、民間が「そんな損することなんか、わざわざやってられないよ」、「やはりリスクは行政に負ってもらわなくては」などと言い出して、地元での事業開発に取り組むことを諦めたら、再生することは基本的にないとも言えます。
「地域活性化は政治・行政の仕事だ」、などと本気で思ってはいけません。それこそ、地方衰退のスパイラルに根本的に犯され、「衰退の無限ループ」から逃れられないのではないでしょうか。
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