有料会員限定

イーロン・マスクの頭の中 理解の範疇を超える経営者

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 最新
拡大
縮小

火星移住、人間へのAI搭載…。突拍子もない目標の達成を期待させる魅力がある。

5月、スペースX初の有人宇宙船打ち上げの成功を喜ぶマスク氏(ロイター/アフロ)

特集「テスラvs.トヨタ」の他の記事を読む

起業家であるイーロン・マスク氏が、情熱を傾けるのはEVだけではない。宇宙輸送サービス、脳埋め込みデバイス、超高速の地下輸送トンネルなど、SF小説のような事業を本気で実現しようとしている。常人の理解の範疇を超える行動原理を、これまでの発言から解読してみよう。

「将来地球に恐ろしいことが起こったときに備え、生命にとっての『生命保険』が必要だ」。今年8月に開かれたイベントで、マスク氏は熱く語った。「生命保険」とは、同氏がCEOを務めるスペースXが今世紀中の実現を目指す、火星移住のことだ。

人類を「惑星間種族」へ

2002年、共同創業したインターネット決済サービスのペイパルを売却して設立したのが、宇宙事業を手がけるスペースX。再利用できる宇宙船の開発により、安価な宇宙旅行サービスの提供を目指している。今年夏には、その一歩として民間の有人宇宙船では初めて国際宇宙ステーションへのドッキングを成功させた。

「人類存続のためには、火星にコロニー(居住地)を建設する必要がある」とマスク氏は言う。17年、学術誌に掲載された同氏の論文によれば、人類の滅亡を回避するには「宇宙に文明を築き、人類が惑星間種族となる」必要がある。複数の惑星や衛星を移住先として検討した結果、最も有望なのが火星なのだという。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
テスラvs.トヨタ
日本電産、村田製作所…
EV化で3分の1の部品が消える
地位が低下するパナソニック
パナもテスラも知る男が証言
揺らぐメーカーの存在意義
マグナ幹部インタビュー
インタビュー/ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリスト 中西孝樹
「政府主導の合併」説も浮上
フル充電で最大610キロメートルの走行が可能
かつてはテスラに出資
CASE対応は“トヨタ頼み"
Part2 トヨタと日本勢は生き残れるか
イーロン・マスクとは何者なのか
理解の範疇を超える経営者
所有者だからこそ知っている
テスラ「モデル3」の性能と乗り味を分析
既存メーカーにはない大胆さ
わずか11カ月で巨大工場を稼働
テスラ vs.トヨタ
最強自動車メーカーはどっちだ?
コロナ禍でも黒字を確保、テスラの稼ぐ力は本物か
Part1 テスラの実力を徹底解明
キーマンが明かす協業の裏側
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内