
無名のテスラを誰も相手にしてくれなかった
──ケルティさんは2006年にそれまで勤務していたパナソニック(当時、松下電器産業)を辞め、新興ベンチャーだったテスラへ入社しました。思い切った決断だったのではないですか。
当時のパナソニックは、社員として何の不満もリスクも感じないよい会社だった。待遇もよかった。それでも、テスラへの転職を決めたのは「自分にはもっと社会に貢献できることがあるんじゃないか」と思ったから。テスラの脱炭素エネルギーをうたう企業理念に深く共感した。
私がテスラで課されたミッションは、電気自動車(EV)に搭載するいい電池を見つけることだった。テスラは、パソコンに積まれている円筒形のリチウムイオン電池を直並列で7000本並べて車を走らせる、という独自性のあるアイデアを持っていた。
ただ、韓国や日本の電池メーカーに声をかけても、無名で実績のないテスラを誰も相手にしてくれない。電池業界全体に、EVに電池を搭載するのは危険だ、という風潮もあった。仮に電池が爆発する事故があったら、「テスラが燃えた」ではなく「〇〇の電池が燃えた」とニュースになることを皆恐れていた。
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