病院間で医療の質に差の大きい日本。データ解析と情報公開が均てん化のカギを握る。
科学的で正確ながん医療のアウトカム(質)について国際比較することには限界がある。質の定義やデータをどれだけ加工できるかなどの問題があるからだ。
ただ、自らもがん患者(大腸がんステージ3b)になり、日本で手術を、米国で化学療法を受けた個人的な見解としては、日本のトップクラスの医療機関が提供しているがん医療の質は、米国のトップクラスの病院と比較して遜色ない。むしろ、消化器外科の分野では日本の外科医のほうがより器用で、注意深く慎重であり、欧米諸国よりも秀でている。
しかし、がん医療だけではなく、日本の医療全般に1つ大きな問題が存在する。最新のビッグデータを用いた比較可能な日米研究では、日本の病院で提供される医療の質には大きな「ばらつき」が存在することが示された(注1)。
日本では皆保険制度によってどの病院にも行けるが、実は米国と比較して、どの病院を選ぶかで、患者の運命が大きく左右される可能性が高いことを示唆している。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら