がん細胞は、免疫細胞からの攻撃を逃れることで増殖を続ける。免疫の働きのブレーキ役になるのが、PD-1という分子だ。本庶佑教授は免疫チェックポイントと呼ばれるこの分子を発見し、その働きを妨げる抗体を治療に応用することで外科手術、放射線治療、化学療法に次ぐ第4のがん治療法を確立させた。
──世界中で免疫チェックポイント阻害薬が開発されています。PD-1発見が、がん治療に与えたインパクトをどう捉えていますか。
免疫チェックポイント阻害薬が登場するまでのがん治療には、外科手術を除けば放射線治療と化学療法の2種類があった。これらの治療法との大きな違いは、抗PD-1抗体では完治割合が上がったこと。また、投与をやめるとすぐにがんが大きくなるこれまでの治療法と比べて、効果が長く続くことも異なる。がん細胞が免疫細胞にかけているブレーキを外すという仕組みを応用すれば、1つの薬剤であるのに、原理的にはすべてのがんに適用が拡大されることも十分に考えられる。
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