肝臓がんの95%は肝細胞ががん化した「肝細胞がん」で、残りの5%は肝臓の中を通る胆管ががん化した「肝内胆管がん」である。2つは治療法も異なるため区別されている。

肝細胞がんは、B型やC型の肝炎ウイルスによる感染が長く続き肝細胞の炎症が続いたことによって遺伝子が変異するために発症する。肝炎や肝硬変などの慢性肝疾患を伴っていることが多い。
国立がん研究センター東病院、肝胆膵(すい)内科長の池田公史医師によると、近年は肝炎ウイルス感染由来の患者が減少傾向にあり、脂肪肝を伴っている患者からの発症が増えているという。
「B型、C型の肝炎ウイルスは、ウイルスの排除や増殖を抑える薬を用いた抗ウイルス療法でかなりコントロールできるようになった。その代わり、非アルコール性脂肪肝炎からの肝臓がんが目立つ」(池田医師)。非アルコール性脂肪肝炎は、肥満(とくに内臓脂肪型)や糖尿病、脂質異常症などが原因とされている。
「肝臓がんの患者の多くは慢性肝疾患を抱えているため、治療の選択も、がんの進行具合だけでなく、肝臓の機能がどのくらい保たれているか、肝予備能も考慮する必要がある。その点でほかの臓器のがん治療とは違ってくる」

根治性の高い肝切除
肝臓がんの治療には、肝切除、穿刺(せんし)局所療法(がんを凝固させるラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法など)、肝動脈化学塞栓療法(肝動脈に塞栓物質を詰めて血流を止めて、がんを死滅させる治療法)などがある。
肝臓の状態やがんの進行具合によっては、分子標的薬を用いた薬物療法や肝移植、放射線治療なども候補になる。
肝臓がんの進行度は、がんの大きさや個数、門脈や肝静脈といった肝臓内の血管への進展具合やほかの臓器への転移の状況などによって決まる。これに肝予備能を考慮して、治療方法を選択する。
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