有料会員登録
ライフ #がん治療の正解

近赤外線の照射でがんを治療 最新治療4|光免疫療法

3分で読める 有料会員限定

光を照射してがん細胞を破壊する──。そんな新しいがん治療法が実用化間近だ。

バイオベンチャーの楽天メディカルは今年3月、日米で開発中の「ASP-1929」を、局所再発頭頸(けい)部がん治療薬として国内で申請した。国内では早ければ年内にも承認される見込みだ。「光免疫療法」の作用メカニズムを活用した、世界初の薬剤だ。

薬剤自体は、頭頸部がんなどの標準治療として使われている分子標的薬(抗体)がベースになっている。この抗体が、まずはがん細胞の表面のみに発現しているタンパク質にくっつく役割を担う。

特徴的なのは、この抗体に「IR700」という化学物質が結合していることだ。この物質はもともと、道路標識や新幹線などの青色の塗料として使われているもの。本来は水に溶けないこの物質に化学的に手を加えることで、一時的に水に溶ける性質に加工してある。

薬剤を注射すると抗体はがん細胞に結合、IR700も一緒にがん細胞まで運ばれる。そして薬剤が到達したがん細胞に向けて、近赤外線を照射する。すると、光を吸収したIR700が本来の水に溶けない性質に戻る。

この急激な性質変化によって、がん細胞の細胞膜に物理的に傷がつく。細胞膜の破れたがん細胞には組織内の水分が流れ込み、そのまま破裂、死滅してしまうという作用メカニズムだ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数