肺がんの標準的な手術は、がんがある肺葉をブロックごと切除する「肺葉切除術」だ。1995年に米国で実施された無作為試験で、肺葉切除術とそれよりも小さく切除する「縮小手術」とを比較したところ、縮小手術では再発率が高くなるという結果が出たためだ。
しかし近年は、CT検査やPET検査の進歩によって小型の肺がんが発見され、当時とは状況が異なる。そこで、2センチメートル程度の小さながんに対しては、肺葉よりもさらに小さい区画に分けて切除する「区域切除」や肺の外側を部分的に切除する「部分切除」などの縮小手術を実施するケースが増えてきている。縮小手術は肺葉切除術に比べてより多くの肺を残せるので、術後の呼吸機能が保たれやすい。
このため、再発率が変わらないのであれば、縮小手術のメリットは大きい。とくに肺機能が低下している人や高齢者には意義がある手術だ。現在肺葉切除術と縮小手術の治療効果(術後の5年生存率と肺機能)を比較する試験が実施されている。結果次第では、早期がんに対しては縮小手術が標準治療になる可能性もある。順天堂大学医学部附属順天堂医院の鈴木健司教授は「肺がん手術において、歴史的な局面になる」と話す。
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