体への負担が少なく、食生活への影響が少ない内視鏡治療も広がる。
現在、日本の胃がん患者の6割は早期がんだ。65歳以上の高齢者に多いが、日本の胃がん治療のレベルは高く、標準治療も確立している。胃がんの治療は、がんの進行の程度や体の状態などから検討される。がんの深さが胃の粘膜層および粘膜下層にとどまるのが早期胃がん、粘膜下層よりも深いがんは進行胃がんだ。
患者の年齢や体力、全身状態、本人の希望も考慮し、内視鏡治療、手術、薬物療法など、最適な治療が検討される。近年は早期胃がん患者の多くが胃を切らない内視鏡治療である。国立がん研究センター中央病院の片井均副院長は、「早期がんが増えて手術数自体が減っているが、手術は胃がんでは最も有効で標準的な治療法だ」と話す。
胃がん手術では、がんの場所や広がり方により、胃を部分的に、またはすべて切除する。胃の切除方法には大きく分けて3通りある。胃の出口側を切除する幽門側胃切除、胃を全部切除する胃全摘、胃の入り口側を切除する噴門側胃切除だ。胃がんは胃の周囲のリンパ節にがん細胞が広がりやすいため、胃の切除と同時に決まった範囲のリンパ節も取り除く。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら