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ライフ #がん治療の正解

NK細胞活性化で免疫力を維持 免疫の権威が語るがんとの関係

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  • 奥村 康 順天堂大学医学部 特任教授
順天堂大学医学部 特任教授 奥村 康(おくむら・こう)1942年生まれ。84年から順天堂大学医学部免疫学講座教授。90年日本免疫学会会長。順天堂大医学部長を経て同学部特任教授。免疫学の権威。ベルツ賞、高松宮賞などを受賞。

健康な人は、免疫機能をすでに十分高い状態で維持している。一般に「免疫力を上げる」というが、もしそうしようとすれば、熱が出たり関節が痛くなったりと悪い症状が出る。だから免疫は上げようとするのではなく、いかに下げないかが重要だ。

免疫システムには、1度戦った細菌やウイルスなどの敵を覚えて、2度目以降はその敵を素早く撃退する「獲得免疫」と呼ばれる機能がある。非常に強力で、若いときに獲得した免疫はどんなに年を取っても基本的には維持される。放射線や抗がん剤でのがん治療、HIV(エイズウイルス)への感染など特殊な事情を除いてめったに能力が下がることはない。

がん細胞の撃退では、こうした獲得免疫に加えて、NK(ナチュラルキラー)細胞も重要な役割を担っている。

人間は、1日に1兆個もの細胞を生み出している。1兆個も細胞を作ると、コピーミス、つまり遺伝子異常という意味で出来損ないの細胞が生まれてしまう。そうした細胞は1日に5000個から7000個できるといわれている。1兆という数字を考えれば非常に少ない割合だが、それらががん細胞だ。放っておくとどんどん増殖してがんになってしまう。

健康な人の体内でそのがん細胞がどんどん増えていかないのは、増殖する前にNK細胞が見つけ出して殺しているから。獲得免疫が強力な軍隊だとすれば、NK細胞はつねにパトロール、取り締まりをしている警察のような細胞である。NK細胞がない動物は、がんの発症率が非常に高い。NK活性が低い人はがん発症率が高くなるという、大規模な研究結果もある。

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