壊滅しつつあるホテル市場。ついに上場企業にも魔手が迫る。中堅マンションデベロッパーのTHEグローバル社(東証1部、以下グローバル社)はその1社だ。
同社が5月15日に発表した決算短信で、企業の継続性に不透明さが生じたとして「継続前提に関する注記」(疑義注記)が付けられた。リーマンショックも乗り切ったマンションデベロッパーに何があったのか。内情を探ると、コロナショック前から内在していたホテル市場の危うさが明らかになった。
参入前から飽和状態
関係者の話を総合すると、グローバル社はすでに昨年から経営不振に陥っていた。今年2月ごろには自力での継続が困難になり、スポンサー探しに奔走していた。
グローバル社からスポンサーの打診を受けた不動産ファンドの関係者は語る。「主力の分譲マンション事業は問題ないが、ホテル事業のほうは、売却後も借り上げるリースバックの賃料が重く、今の市況では年間15億~20億円くらいの損失があるはず。とても手が出せる状態ではなかった」。
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