有料会員限定

リモート接客で売り方改革、住宅設備の新常態 一部資材の調達遅れが影響

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小

反転攻勢に向け、数々の新施策を打ち出している。

「あのときは冷や汗ものだった」と語るのは中堅住宅ビルダーの都内支店長。3月は1年の中で最も住宅の引き渡しが集中する繁忙期だ。そこに新型コロナウイルスの影響が直撃した。

大手住宅設備メーカーでは2月中旬から一部資材の調達に遅れが生じ始めた。中国の協力会社からの供給が滞ったのだ。TOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」や便器、パナソニックのシステムキッチン向けIHクッキングヒーターや食器洗い乾燥機などが調達できず、住宅を引き渡すタイミングに混乱が生じた。

冒頭の会社でも仕入れに遅延が発生。支店ごとに「A邸はキッチン、B邸はトイレ」と足りなくなりそうな住宅設備をリストアップし、優先順位をつけてやり繰りして、何とか乗り切った。「当社の取引量が多いので流通業者も気を使って商品をまわしてくれたようだ」と支店長は胸をなで下ろす。

コロナ禍の影響が色濃く表れた住宅設備業界。各社は生産面でどの程度の影響を受けたか公表していない。ただ経済産業省の生産動態統計によれば、住宅設備の国内出荷台数は2月に温水洗浄便座が前年同月比約16%減、3月には大便器やキッチンが同約15%減と大きく落ち込んだ。その後、供給が改善し、温水洗浄便座と大便器は4月になるとプラスに転換。キッチンも4月には5%減とやや改善している。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
激震! 不動産
「大箱の超高層都市は終わり自然との一体型へ変わる」
インタビュー/建築家 隈 研吾
談合体質から脱却できない建設業界、原因究明にも大きな課題
各社が進める省人化対策の施工自動化はコロナ対応にも有効だ
「建築・土木を本業と呼ぶな、多様な収益源で成長する」
インタビュー/大林組 社長 蓮輪賢治
インタビュー/前田建設工業 取締役専務執行役員 岐部一誠
Part3 ゼネコンの多難
負債資本倍率、時価総額減少率
一部資材の調達遅れが影響
郊外の分譲住宅や低価格注文住宅の販売が好調だ
Part2 価値激変の住宅
REITの価格が3月の暴落後、なかなか戻らない
REITが遺したホテル投資の教訓
「ミドルリスク」はどこへ
サンフロンティア不動産 会長 堀口智顕「フローの利益の誘惑に勝つ」
リーマンショックの「生存者」が語るコロナ禍のしのぎ方 2
トーセイ 社長 山口誠一郎「中小オフィスへの影響は限定的」
リーマンショックの「生存者」が語るコロナ禍のしのぎ方 1
コロナ禍でも物流施設の需要は底堅く、地方部にも広がる
縮小か?増床か? オフィスの勝ち組・負け組
アフターコロナで求められるオフィスの模索が続く
ウィーワーク、コロナのジレンマ
社会的距離を保つと席数が減少
オーナーが一方的に閉館、賃料交渉も拒否
「ホテルバブル」の終盤に参入した上場企業が窮地に
営業再開後も続く受難、正念場の宿泊・商業施設
Part1 荒れる不動産市場
激震! 不動産
大荒れ市況を徹底分析
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内