営業再開後も続く受難、正念場の宿泊・商業施設 Part1 荒れる不動産市場

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賃料減免依頼にどこまで応じるか。不動産オーナーの苦悩は続く。

雑居ビルの看板に貼られた珍妙な紙(右)。ビルオーナーとテナントのつばぜり合いが各所で起きている(撮影:尾形文繁)

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「たいへんな逆風下でのスタートとなった」。4月1日に就任した東急不動産ホールディングスの西川弘典社長は、険しい表情で2020年3月期決算説明会の口火を切った。

それもそのはず、大手デベロッパーの中で東急不動産はコロナ禍の影響が最も大きく、今期の営業減益幅は5社中で最大になるとみられる。ホテル「東急ステイ」や東急ハンズ、リゾート施設、フィットネスクラブなどが軒並みコロナでダメージを受ける。

固定賃料さえ守れず

不動産業界では、ホテルや商業施設を「オペレーショナルアセット」と呼ぶ。

同じ賃貸不動産でも、オフィスやマンションなら入居者がつけば契約期間中は一定の賃料が固定的に入ってくる。対してオペレーショナルアセットでは、入居するテナント(ホテル運営者や店舗)の巧拙によって収益が大きくぶれる。好調時は上振れが狙える分、崩れたときの損失も大きい。

そのためホテルや商業施設のオーナーはリスクヘッジのため、売り上げに連動する変動賃料と、売り上げにかかわらず毎月一定額を受け取る固定賃料を組み合わせる。テナントの業績が悪化しても、固定部分は確保できるという算段だ。

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