有料会員限定

絶好調からついに踊り場へ、工事中断の先に待つ深淵 Part3 ゼネコンの多難

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小

ゼネコンが謳歌してきた空前の好調は終わりを迎えようとしている。

西松建設の施工中の現場では作業員を3分の1ずつに分け、日替わりで朝礼を実施する

特集「激震! 不動産」の他の記事を読む

「ハイそこ、マスク着けて!」工事現場の所長はマスクをずらしている作業員を見かけると鋭く指示を出した。6月中旬、現場のある茨城県つくば市のこの日の最高気温は30度、湿度も高い。マスクを着けての作業はこたえる環境だ。

準大手ゼネコン、西松建設がつくば市で2019年7月に着工した「プロロジスパークつくば2」は、物流開発会社プロロジスが某ネット通販業者向けに開発している物件。地上4階建て、延べ床面積約11万平方メートルの大型物流倉庫だ。

この現場を訪ねたときは、内装と外構の工事を進める追い込みの段階で、約450人の作業員が出入りしていた。完成検査を経て9月に引き渡す予定で工事が進むが、コロナ禍の影響が色濃く出ている。4月からマスクの着用や手洗い・消毒を徹底しているほか、現場に入る際に非接触型の体温計で体温を測定。さらに「3密」対策として、朝礼は職長の全員参加は続けているものの、作業員は毎日3分の1ずつ交代で参加し、スペースを広く取るようにしている。現場内の消毒を定期的に実施するほか、休憩所も間隔を広く取るなど、工夫を凝らす(下写真)。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
激震! 不動産
「大箱の超高層都市は終わり自然との一体型へ変わる」
インタビュー/建築家 隈 研吾
談合体質から脱却できない建設業界、原因究明にも大きな課題
各社が進める省人化対策の施工自動化はコロナ対応にも有効だ
「建築・土木を本業と呼ぶな、多様な収益源で成長する」
インタビュー/大林組 社長 蓮輪賢治
インタビュー/前田建設工業 取締役専務執行役員 岐部一誠
Part3 ゼネコンの多難
負債資本倍率、時価総額減少率
一部資材の調達遅れが影響
郊外の分譲住宅や低価格注文住宅の販売が好調だ
Part2 価値激変の住宅
REITの価格が3月の暴落後、なかなか戻らない
REITが遺したホテル投資の教訓
「ミドルリスク」はどこへ
サンフロンティア不動産 会長 堀口智顕「フローの利益の誘惑に勝つ」
リーマンショックの「生存者」が語るコロナ禍のしのぎ方 2
トーセイ 社長 山口誠一郎「中小オフィスへの影響は限定的」
リーマンショックの「生存者」が語るコロナ禍のしのぎ方 1
コロナ禍でも物流施設の需要は底堅く、地方部にも広がる
縮小か?増床か? オフィスの勝ち組・負け組
アフターコロナで求められるオフィスの模索が続く
ウィーワーク、コロナのジレンマ
社会的距離を保つと席数が減少
オーナーが一方的に閉館、賃料交渉も拒否
「ホテルバブル」の終盤に参入した上場企業が窮地に
営業再開後も続く受難、正念場の宿泊・商業施設
Part1 荒れる不動産市場
激震! 不動産
大荒れ市況を徹底分析
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内