有料会員限定

「稼いだ時間の上にあぐらをかき何の対策も準備してこなかった」 インタビュー/神戸大学教授 岩田健太郎

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
いわた・けんたろう 1997年島根医科大卒。2008年から神戸大学大学院医学研究科教授(感染治療学)。03年に中国でSARS、14年にはアフリカでエボラ出血熱対策に当たる。(オンライン取材時に撮影)

特集「コロナ医療崩壊」の他の記事を読む

週刊東洋経済 2020年5/2-5/9合併号
書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

政府の対策の有効性をどう考え、医療崩壊を防ぐためにはどうすべきか。多数の新型コロナウイルス感染症患者を出したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の内情を告発した、感染症研究の第一人者、岩田健太郎・神戸大学教授に聞いた。

──4月7日、7都府県に緊急事態宣言が出されました(取材日は13日)。この対策をどう見ていますか。

大阪府や福岡県などに必要だったかは微妙だったが、少なくとも東京にはもっと早く宣言を出すべきだった。日本の対策はこれまでおおむねうまくいっていた。それは、発生したクラスター(感染者集団)を探して追いかけて潰して、を繰り返し感染の連鎖を防いできたからだ。クラスター追跡は起こったことを後から追いかけていくやり方。感染者の規模が小さかった時期はこのやり方が通用していたが、東京では規模が大きくなり追いかけることができなくなった。

そのまま爆発的な感染を許したのがイタリアであり、米国のニューヨーク市だ。ロックダウン(都市封鎖)は、そうなる可能性が高くなった時点で早く行うべきだった。経済面などで副作用が大きいとはいえ、感染拡大を防ぐためにはそれ以外の方法がない。

関連記事
トピックボードAD