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「日本の竹やり戦術は限界、ビッグデータの徹底活用が急務だ」 インタビュー/WHO事務局長上級顧問 英キングス・カレッジ・ロンドン教授 渋谷健司

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しぶや・けんじ WHO(世界保健機関)の事務局長上級顧問。東京大学教授を経て、現在、英キングス・カレッジ・ロンドン教授。(オンライン取材時に撮影)

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週刊東洋経済 2020年5/2-5/9合併号
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政府は緊急事態宣言の全国拡大に踏み切った。ウイルスとの戦いはいつまで続くのか。長期化した場合、出口戦略をいかに取るべきか。公衆衛生の専門家で、WHO(世界保健機関)の事務局長上級顧問を務める渋谷健司・英キングス・カレッジ・ロンドン教授に4月17日、話を聞いた。

──集団感染を追跡して潰すクラスター対策は、日本独自の方法です。どれほど効果を上げていますか。

北海道など限定された地域で感染初期の拡大を食い止めたのは大いに評価している。しかし、医療崩壊はもう始まっている。大都市で感染拡大が起こっている状況で、保健師が感染者一人ひとりの行動を追跡するのは、竹やりで戦っているのと同じだ。人と人との感染だけでなく、ほかの感染ルートもあるかもしれない。人海戦術で追うのは限界だ。

英国も当初は休校やイベント中止はしないという判断だったが、すぐに覆して都市封鎖に踏み切った。その変わり身の早さが日本にはない。東日本大震災の原発問題でも同様だが危機管理が下手だ。一度決めた戦略に固執し、想定外のシナリオを考えていなかった。

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