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「危機終息前の経済対策は無駄、ワクチン開発に投資すべきだ」 インタビュー/経済学者・思想家・作家 ジャック・アタリ

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Jacques Attali 1943年アルジェリア生まれ。81年仏大統領特別顧問、91年欧州復興開発銀行総裁など要職を歴任。ソ連崩壊やリーマン危機、前回米大統領選挙でのトランプ勝利などを予測した。「欧州最高の知性」と称される。(Best Images/アフロ)

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経済学者、思想家として欧州の政治、経済、社会に大きな影響力を持つフランスのジャック・アタリ氏。未来予測でも知られる同氏は今回の新型コロナウイルス危機について、「経済対策よりもワクチンと治療薬の開発を優先すべき。東京五輪の開催もその開発に左右される」と説く。(インタビューは書面で行った)

──著作『2030年ジャック・アタリの未来予測』で、「これまでにないタイプのインフルエンザが明日にでも流行する兆しがある。だが、そのための準備はまったくできていない。新型インフルエンザは、『スペイン風邪』と同じくらいの猛威を振るうおそれがある」と、以前から警鐘を鳴らしていました。

起こりうる大災害の中でも、この危機は完全に予測できた。歴史上、パンデミックはこれまでに何度も起きたからだ。問題はそれがいつ起きるのかだけだった。そして起きるべくして起きたこの100年で最大の危機が今、人類のほぼ全体を襲っている。

命を救うには隔離生活を甘受するしかない。今回の新型コロナによる危機は莫大な損害をもたらす。数億もの雇用が失われる、あるいは脅かされる。株式市場に投じられたマネーは25兆ドル以上失われる。そして、商店、レストラン、町工場など、資産がほとんどない非上場の中小零細企業に資金を投じた人々が被る経済的なダメージは計り知れない。

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