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楽観できないワクチン開発 実用化は早くても2021年

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ウイルスの封殺にはワクチンが不可欠。各国のメーカーがこぞって開発に乗り出した。

米バイオベンチャーのモデルナは臨床試験を始めた。トップランナーの1つ(Keiko Hiromi/アフロ)

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新型コロナウイルス感染症の拡大を終息させる最も有効な方法はワクチンの開発だ。現在、世界中で開発が進んでいる。もしワクチンを開発できないならば、毎年、各国で多数の犠牲者が生まれることになる。それは最悪のシナリオでもある。

動物はワクチンを接種されると、病原体から体を守る「免疫」を獲得する。集団の多数がワクチン接種を受ければ、感染を広がりにくくする「集団免疫」を得ることができる。

ワクチン開発にはこれまで5年以上の年月がかかってきた。新型コロナによって日常生活を奪われた今、ワクチンの開発を気長に待ってはいられない。

いま製薬企業は最新の技術を使って、ワクチンの開発時間を短縮させようとしている。医薬品を審査する各国の当局も、迅速な開発を後押しする規制緩和を検討している。WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長は3月27日の会見で、ワクチンの開発には「少なくとも12カ月から18カ月かかる」と見通した。これが実現できれば、過去最速で開発されたワクチンとなる。

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