「中福祉中負担」は幻想--出でよ、負担増を語る“悪役”

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野田財務相は、11年は「抜本的な税制改正を間違いなくやらないといけない」と予告。11年半ばまでに社会保障と税制改革の成案を示すという。ただ、今回の議論を振り返れば、消費税という「超メガトン級」の増税を今の政権がハンドリングできないことは容易に想像がつく。

民主党は税や社会保障の改革で「中福祉中負担」の国を目指すというが、幻想ではないか。毎年1兆円ずつ増える社会保障費に加え、国・地方合計で900兆円近い債務の返済負担がある。今のままだと、むしろ「中福祉高負担」になる可能性が高い。私たちに残されているのは、北欧諸国並みの負担で、受益は現状程度がせいぜい。それが現実であることを、率直に、ありのままに国民に示すべきだ。今の民主党に必要なのは、そういう汚れ役を引き受ける“悪役”ではないか。

(撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年1月15日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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