絶好調ミネベアがそれでも手を緩めない理由 「5本の矢成長戦略」でM&Aを加速

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新領域を伸ばすことで業績成長を狙うミネベアだが、足元の業績も絶好調だ。2014年度第2四半期(4~9月期)の売上高は前年同期比19・8%増の2165億円、営業利益は同90・4%増の247億円を記録。通期の業績予想も上方修正(売上高を4080億円から4600億円、営業利益を400億円から500億円)しているが、さらに膨らむ公算が高い。

株価もこれを好感している。13年夏ごろまで400円前後で低迷していたが、今やその4倍以上の株価水準で推移。12月25日にはザラ場で1807円を付け、1999年の上場来高値1805円を突破した。

 超薄型スマホ普及が追い風

その好業績の原動力となっているのが、スマートフォン向けで使われるLEDバックライトの急拡大だ。同社は00年ごろから携帯や液晶モニタのバックライト事業を手掛けており、バックライトの基幹モジュールである導光板に強みを持つ。昨今、スマホ業界では「アイフォーン6」のような薄型高級機種の普及が進んでいるが、厚みを抑えるにはミネベアが得意とする超薄型の導光板が必要となる。実際、薄型LEDバックライトではミネベアが70~75%のシェアを握る。

当然、同社もフル操業状態が続く。LEDバックライト事業の売上高は15年3月期、前期ほぼ倍増の1250億円程度に達する見通しだ。それでも、さらなる顧客の注文に応えるために、11月には増産のための追加投資を決断。163億円を投じて、カンボジア工場にバックライトの生産設備を増設、さらに物流センターの機能を果たしていたバンコクのバンワ拠点を、LEDバックライト向けの部品工場に転換することを決めた。これで来期は2割以上の増産を図る構え。「急速な生産拡大を実行する力が製造現場にはある」(貝沼社長)と、垂直立ち上げによる生産体制の確立にも自信を見せる。

LEDバックライト事業の好調が続く間に、新たな成長分野をどれだけ生み出せるか。ミネベアの本当の実力が試されるのはこれからだ。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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