"廃墟モール"ピエリ守山、再生への処方箋

立地条件のマイナスをどうハネ返す?

核テナントである外資系アパレルへ誘導するための工夫も凝らした。

従来のピエリはあえて客を多くの店に回遊させる構造にしていたが、客にしてみれば目的地になかなかたどり着けないうえ、表通りと裏通りができてしまった。そこでリニューアルに際して、80メートル以内で目的の店に着くよう、5本の動線を新たに設置。一部の店舗内にはエスカレーターを設け、2階へスムーズに誘客する仕掛けを施した。

さらに、外資系アパレルでは一般的なメンズ・レディスだけでなく、キッズ向けや雑貨なども販売。地元のファミリー客の取り込みを狙う。フードコートに併設したキッズスペースや「さわれる動物園」などの体験型施設もファミリー客向けに導入した。

新生ピエリは、自動車で25分以内の6万6000世帯、16万人を基本商圏に設定。年商150億円超、来店客数650万人を目指す。

カギはテナントの選別

ただ、不安要素も少なくない。JR琵琶湖線の守山駅から路線バスで約30分を要する立地条件は、リニューアル前と同じ。琵琶湖の対岸にある、JR湖西線・堅田駅からの路線バスが3年ぶりに再開されたが、効果は未知数だ。

また「商業施設の命運を握るのは、立地よりもオペレーション」(商業施設大手)という声もある。事業を引き継いだサムティは住宅事業がメイン。商業施設も一部で手掛けているが、ピエリほどの規模の施設は初の試みだ。

テナントと活発にコミュニケーションを取り、それでも不振から脱せないテナントについては改廃を進めることで、モール全体の活気を維持していけるかどうか。それが真の意味でピエリが再生を果たすための必要条件だ。

「週刊東洋経済」2014年12月27日・1月3日合併号<12月22日発売>の「核心リポート03」を転載、撮影:梅谷秀司)

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