《プロに聞く!人事労務Q&A》年俸制へ移行する時の注意点を教えて下さい

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■年俸制と平均賃金等との関係

年俸額の一部を賞与相当分として支給する場合に、その賞与相当分が対象期間中における労働者の勤務成績や会社の業績等にかかわらず固定しているときは賞与と見なされません。

この場合は、毎月12分の1ずつ支払うことになりますので、割増賃金計算の対象になります。また、休業補償、解雇予告手当、休業手当等の算出に使用される平均賃金の対象にもなります。割増賃金計算と平均賃金の対象にしないためには、賞与相当分については変動する支払い方が必要となります。

■年俸制のトラブル

年俸制におけるトラブルには、前述の割増賃金の未払いや、賞与の支給日在籍要件で不支給の場合があります。賞与の支給日在籍要件は、年俸制における賞与の性質等を総合的に考慮して、合理性が認められれば適用されます。このほかには、期間途中での年俸額の減額や年俸額改定時の大幅ダウンなどです。

年俸制への移行に際しては、労働者の業績・成果を年俸額に反映させるための評価制度、就業規則に年俸制における降給等の明示、退職金制度との整合などが重要になります。

また、労働者には年俸制を導入する目的や規則改訂を周知し理解を得てください。

白石多賀子(しらいし・たかこ)
東京都社会保険労務士会所属。1985年に雇用システム研究所を設立。企業の労務管理、人事制度設計のコンサルティングを行う一方で、社員・パートの雇用管理に関する講演も行っている。東京地方労働審議会臨時委員、仕事と生活の調和推進会議委員。著書に『パート・高齢者・非正社員の処遇のしくみ』(共著)。


(東洋経済HRオンライン編集部)

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

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