インド新戦略車はトヨタを救えるか(上)

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インドで販売中の車種で最も安い「カローラ」でも、101万~142万ルピー(約189万~266万円。1ルピー=約1.87円、いずれもデリー価格)。売れ筋小型車の倍近い水準だ(下図)。これまでインドでのトヨタ車とは、富裕層向け高級車か社用車の位置づけだった。

セダンの価格ではあえて50万ルピーを切る

インド専用車として開発されたエティオスには、このイメージを打破することが求められた。12月1日、TKMの本社と工場があるバンガロール市に赴いた豊田章男社長は、「進出当時から今までのインド事業への取り組みと、今日これからとは違う。一番の違いは、やっとインドに適したクルマの開発ができたことだ」と力を込めた。

同日、バンガロール市内の古城に設けられた、エティオス発表会の席上。スクリーンに映し出された価格表を見て、詰めかけた報道陣からどよめきが上がった。大方の観測より安かったからだ。

エティオスには、1500ccのセダンと、1200ccのハッチバックの2種類がある。セダンを2011年の年明けから先行発売、ハッチバックは4月に売られる見通し。初年度は計7万台の販売を目指す。セダンには四つのグレードを設け、最も高いVXクラスで68万6500ルピー(約128万円)。最も安いJクラスでは、何と49万6000ルピー(約93万円)で販売するというのだ。

直前に発行されたインドの自動車専門誌では、エティオス・セダンの最低価格は55万ルピーと予想されていた。日本でも「100万円を切ることはない」との見方が大勢だった。

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