「バズフィード」が快進撃を遂げた本当の理由 「受け狙い」だと思ったら大間違い

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巧みに織りこまれるネイティブ広告

それでは、バズフィードとはいったいどんなサイトなのか。

トップページにアクセスした印象は、雑多なものが入り交じったグチャグチャした感じである。セレブ、ペット、マンガ、スポーツ、政治、犯罪、気候のニュースがごった混ぜになり、寄稿しているのもバズフィードのスタッフと一般ユーザーが混在している。真面目、不真面目も区別なく一緒に並んでいるという体裁である。

バズフィードの特徴は、記事に何かと数字がついていること。内容をリスト化するのだ。たとえば、「今日はベッドから出るんじゃなかったと後悔した22人」とか、「今年のクリスマスにぴったりの、ミニマリスト的贈り物15選」といったようなものだ。

それらのリストは必ずしもロジカルではなく、ほとんどはお笑い風。ただ、このリスト風記事の人気が物語るのは、一口サイズのちょっとした話題が人々に求められているということだろう。

特徴は他にもある。ネイティブ広告と呼ばれるものが多いことも、そのひとつだ。ネイティブ広告とは、そのサイトに特徴的なフォーマットで表示される広告のことだ。したがって、記事や投稿の中に広告が紛れ込んでいて、従来のジャーナリズムから言えばあるまじき構成となるのだが、インターネット時代らしく広告も情報の一部として受け入れられているのだろう。

バズフィード内部で、企業の広告コンテンツ制作を行うケースも多く、全社員700人のうち10分の1以上にあたる75人が、クリエイティブ部門でそうしたビデオやコンテンツの制作を行っているようだ。

ビデオと言えば、バズフィードはビデオにも力を入れている。ビデオ部門はハリウッドに拠点を置き、現在は数秒のショート・ビデオが中心だが、近く独自のショーや番組を大量に制作して投稿することを計画中だ。これが加わると、バズフィードのごった煮度がますます上がるだろう。

テクノロジーが支えるメディア

われわれの目には見えないが、バズフィードは社員が利用するコンテンツ管理のシステムのテクノロジーにもかなり力を入れている。ウェブやモバイルの両方で表示が最適化されるとか、ビジターやビューの分析が詳しく把握できるとか、また、ソーシャル・ネットワークへの投稿が簡単にできるなどの工夫が凝らされているという。

最近バズフィードに新たな資金を投入した、有名ベンチャー・キャピタル会社アンドリーセン・ホロウィッツのクリス・ディクソンは、「バズフィードは、テクノロジー企業」とすら語っている。

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