BBCが目指す「不偏不党」とは何か 国際ニュースメディアが描く未来像

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「生き馬の目を抜く」-そんな表現がぴったりなのが英語で世界を駆け巡るニュースの世界だ。24時間、ニュースは待ったなし。ぼやぼやしていたらライバルの報道機関やソーシャルメディアがスクープをさらってしまう。
「ツイッターをやらない記者はいらない」と発言したとされる、「BBCワールド・サービス・グループ」のディレクター、ピーター・ホロックス氏に世界に向けてニュースをすばやく発信する仕組みとBBCの将来について聞いた。
2013年に新装オープンした報道センターの前に立つピーター・ホロックス氏(撮影:Minako Iwatake、次ページ以降も)

 

――BBCワールド・サービス・グループのディレクター職とは?

一言で言えば、BBCの海外向けニュースの統括責任者だ。グループには国際ラジオ放送「BBCワールド・サービス」、国際テレビ放送「BBCワールド・ニュース」、英語ウェブサイト「BBCニュース」の海外向け発信などが入る。ニュースの編集基準や方針、財務にも責任を持っている。

信頼できるニュースを世界へ配信

――BBCは世界中にニュースを発信している。英国の姿を伝えるという意味では1つの外交とも言えるのだろうか。

ある意味ではそうだ。客観的で、偏りがない、独立しているニュースの発信は英国民そして世界中の市民にとっても重要だと思っている。英国にこのような報道機関があるということで、英国に対する好印象が高まる可能性もある。ただし、好印象を作ることが目的ではない。信頼できるニュースを外に発信することが重要と考えて、そうしている。国民も支持している。

――どのようにして世界中のニュースを迅速に報道しているのか。

世界中にどの国際ニュース局よりも多くのジャーナリストを配置している(注:113カ国に2500人余)。ただし、BBCは英国の放送局だが「英国の視点」を伝えているわけではない。世界中のすべての視点を反映させ、グローバルな見方を提供している。ロシア語、アラビア語、中国語、アフリカ諸国のさまざまな言語など複数の言語でも放送しており、世界各地の事情に詳しいスタッフがそれぞれの視点を提供してくれる強味がある。

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