北朝鮮、始まった市場経済への転換

金第1書記が「独立採算制」の実施を指示

「5月9日ナマズ工場(養殖場)」を見学した時の金正恩第1書記(写真:KCNA/新華社/アフロ)

企業や農場が独自的に経営を行うことを許す「独立採算制」を導入した--。金正恩第1書記が政権を担うようになって丸3年を迎えた北朝鮮で、大胆な経済政策が実施されることになったようだ。国家的・中央集権的なこれまでの経済運営から、各経済主体が独自に経営できる幅を広げ、実質的な「市場経済化」へ向かうのではないかと注目されている。

最近になって韓国や日本などで、「5.30措置」「5.30指示」といった新たな経済方針が発表され、すでに実施されているという話が流れていた。そのような中、朝鮮労働党の理論機関誌『勤労者』9月号において、それを裏付ける論文が掲載された。これは北朝鮮の国家計画委員会のリ・ヨンミン副局長が、「(金第1書記が)今年5月に歴史的な労作を発表し、現実発展の要求に合うわれわれ式経済管理方法を確立するために行うべき綱領的指針を明らかにされた」と記し、その「綱領的指針」の基本的な中身などを説明している。

「5.30労作」で金第1書記が指示

この論文には「5月に労作が発表された」ということが記されただけで、実際にどのような労作なのかは具体的な記述がない。だがその中身は、北朝鮮全国の工場や企業所、機関に全面的な自律経営権を与えると同時に、生産・分配・貿易する権限をその機関に与えるというものだ。

リ副局長は論文の中で、この労作に書かれてある基本的な方向性を「社会主義の原則をしっかりと堅持しながら、生産と管理を客観的な経済法則と現代科学技術の要求に合わせて最大限の実利を得ることは、われわれ式経済管理方法を確立することにおける基本要求だ」としている。要は、社会主義経済が原則ではあるが、結局は「最大限の実利」を得ることこそ北朝鮮経済に必要こと、ということだ。

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