ベネッセの「しまじろう」、中国の子ども市場を開拓
10月、ベネッセコーポレーションは中国で小学生向けの家庭学習講座「チャレンジ1年生(『楽智小天地 小学生 虹彩版』6~7歳向け)」の販売を開始した。
尖閣問題で日中の緊張感が高まっている中での新商品投入に注目が集まったが、福島保社長は「スタート時点での小学生会員数は2・2万人。出足はまずまず順調。影響は特に感じていない。中国のお母さん方からの“しまじろう”への信頼が大きい」と手応えを感じている。
しまじろうは、ベネッセが手掛ける幼児向けの家庭学習講座「こどもちゃれんじ」の人気キャラクター。中国では、巧虎(チャオフー)という名前で教材に登場する。
日本の全人口を上回る 中国の9歳以下人口
通信教育最大手のベネッセは、1969年に「赤ペン先生」でおなじみの「進研ゼミ」の前身を高校生向けにスタートさせ、中学講座、小学講座、幼児向け講座の「こどもちゃれんじ」とラインを拡充してきた。
2010年10月時点の国内会員数は376万人。利用者数を対象年齢人口で割った市場シェアは実に21%。学年の5人に1人が会員となっている計算だ。
ただし、少子化の進む日本国内では、この先の成長に限界があるのも現実。矢野経済研究所の調査によれば、09年度教育産業全体市場(主要12分野計)は前年度比6・0%減の2兆4644億円。うち、通信教育市場は、不況にかかわらず学生・社会人向け通信教育は堅調だが、幼児向けは若干落ち込んでいるもようだ。今10年度は子ども手当の支給開始、11年度から施行される学習指導要領の改訂などによってやや上向くと見られているものの、市場の大きな成長は望みにくい。