ベネッセの「しまじろう」、中国の子ども市場を開拓
現在、グループのベネッセホールディングスが新たな成長領域と位置づけているのがシニア(介護事業)と海外(教育・語学事業)だ。シニアでは高齢者ホームを積極的に新設するとともに介護施設運営のボンセジュールを3月に買収し、事業拡大を進めている。
海外は、中国の教育分野が最大の有望市場だ。中国の国勢調査(00年)によれば、中国全体の人口12億4200万人のうち、9歳以下人口は約1億5900万人。日本の全人口を上回るボリュームであり、このうちの1割に当たる富裕層を対象と想定しても約1500万人。日本とは比較にならない巨大市場だ。
中国の教育市場は、厳しい学歴社会に加えて、急速な経済発展と一人っ子政策による教育投資熱の高まりから、猛烈な勢いで伸びている。以前だと沿海都市部の高所得者層に限られていた教育投資熱は、地方都市にも広がりつつある。
ベネッセの海外事業は、89年から台湾で0~8歳を対象とした講座を、06年3月からは韓国で0~6歳までの幼児向け講座を開始。21年目を迎えた台湾は会員数17万人、韓国は13万人(10年10月時点)にまで成長している。
そして06年6月、中国では小学生向けより先に1~6歳向け年齢別家庭学習商品の中国版「こどもちゃれんじ(楽智小天地)」を開始した。1カ月の受講費は平均100人民元(約1300円)。初年度は会員数3万人。そこからわずか4年半で会員数27万人にまで拡大した。