シトリックス、B2B企業の超刺激的な職場 デザイン思考をオフィスで具現化
クライアントはB2Bながら、その先のユーザーを見なければならないと指摘する櫻井氏。ユーザーが目的を達成するまで、いかにシームレスに使いこなせるようになるのか、考えながらデザインに取り組んでいると語る。もちろん、アプリのゴールや、シトリックスの製品の中の位置づけなどは決められている。しかしこれをどのように達成するのかを、マーケティングなどではなくデザインから始めるワークフローが組まれている点に注目するべきだろう。
モバイル化によって、性能以上に直感性が重要になる。そのため、ユーザー体験からデザインを起こす手法が組まれているのだ。
このフローでも、スケジュールとの戦いはつきものだ。短時間でバージョンアップをしてリリースする事を考えると、詰め込んでいくのではなく、体験として成立しているかどうかを優先するそうだ。
そんな櫻井氏は、「デザインは摩擦」だという。
変化し続けるユーザーと、この摩擦をいかに減らしていくか、調整を続けていくことになる。ユーザーからのフィードバックを得ながら、じっくりと調整を続けていくことを認めることもまた、デザインを重視する仕事の仕方といえるだろう。
デザインを学び、デザイン思考を仕事に生かすには?
シトリックスでは、カスタマーエクスペリエンス部門が全社的にデザイン思考の教育を施している。つまり、デザイナーではない人たちも、デザインを学び、また自分の仕事に生かそうというコンセプトなのだ。
シトリックスに在籍するデザイナーを見ても、デザイナーが必ずしも、美術大学や芸術大学を出身した人たちではなくなってきている。特にモバイル化が進み、櫻井氏が在籍するデザインチームの9人中3人はコンピュータサイエンス系の学部を卒業しているなど、デザインだけを学んできたキャリアから移行しつつある。
「デザインは普遍的になった、と感じています。より直感が重視されるようになり、人間の行動やテクノロジーと密接な関係になってきました。誰もがすぐに理解し体験できることを追究することが重要です」(櫻井氏)
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