スマートニュース、「広告猛ダッシュ」の成算 王者ヤフーはどう迎え撃つのか

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アクティブユーザー数を「400万人」と公表したスマートニュース。鈴木健会長のゼスチャーにも力がこもる

「メディア大航海時代の新大陸を発見していきたい」

スマートフォン(スマホ)などで利用できるニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」が12月1日、都内で開いた初の事業戦略の説明イベント。会場を埋める広告や報道の関係者ら約700人を前に、鈴木健会長はこう気勢を上げた。

パソコン(PC)からスマホへ――。ネット利用の大きな潮目の変化に乗り、無料利用を武器に、ユーザーを急拡大してきたニュースアプリ。2012年に始動したスマートニュースは、「今まで売り上げがほとんどゼロだった」(鈴木会長)が、この日、広告戦略を発表。同時に、月間利用者(アクティブユーザー)数を「400万人」と初めて公表し、媒体価値が十分に高まったところで、収益化に舵を切る宣言をした。

広告の儲けは各媒体とシェア

スマートニュースの広告事業は、「動画広告」と記事のような体裁の「ネイティブ広告」が2本の柱で、今月から配信。ネイティブ広告に関しては、読者がニュース記事と混同しないよう「広告」と明示し、ミクシィと共同開発してきた広告配信を共通化するネットワークの構築も進める。この広告ネットワークは、SNS(交流サイト)「Mixi」のほか、毎日新聞、産経デジタルなど新聞社も含めて、計8社が名を連ねてのスタートとなった。

新聞や雑誌などアプリ内に専用チャンネルを持つ媒体社に対しては、チャンネル内に表示される広告収入の4割を還元すると発表。これまで媒体社への収益還元の仕組みづくりが不十分とされ、「ただ乗り」との批判もあったが、こうした声に対しても一定の"回答"を用意した形だ。

だがもちろん、ライバルも座して見ているわけではない。同日、都内の別の会場では、ヤフーが「Yahoo!ニュース」のサービス強化を発表。宮坂学社長は「ニュースがこの数十年間で一番注目を浴びているのではないか。時代のド真ん中のコンテンツになっている」と強調。ジャーナリストや学識者などの書き手500人弱が集う「Yahoo!ニュース 個人」で、書き手への収益還元を引き上げるといった施策を発表した。

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