進次郎氏が説く「アベノミクスの先の政策」 33歳の人気政治家は、あえて未来を語る
「ここ中央区は国家戦略特区に指定されているのです」。進次郎氏は第2次安倍政権で国家戦略特区担当の内閣府政務官を務めているため、まず演説ではそのことに触れた。確かに、今年5月に決定した国家戦略特区法により、中央区は東京圏の中にある11の対象特区のひとつに指定されている。世界一のビジネス環境を整備して国際的なビジネスの拠点になることを目標とする特区だ。
しかし同時に、東京一極中心ではいけないとも訴えた。「アメリカではニューヨークが経済・金融の中心、ワシントンDCが政治の中心、ハリウッドがエンターテインメントの中心と、役割分担している。ところが日本では東京が全ての中心で、全てが集中しているのです。しかし30年以内に70%以上の確立で首都直下型大地震が起きると言われている。パンデミック発生のリスクも高い。危険を分散させるためにも、もっと地方に分散しなくてはいけません」。
アベノミクスの先を考えなければならない
ただし、単に地方に東京の一部を移設するだけではいけないとのこと。進次郎氏は「地方に一部をもっていっても、東京の魅力を損なわないようにしないといけない。そうすることで、地方に住みながら東京の便利さを享受できるという関係を作らなければならない。私はやはり横須賀に住みたいですから」と述べた。
それは進次郎氏の次の言葉とリンクする。「私たちはアベノミクスの先を考えなければいけません」。それは人口が減少し経済成長が鈍る状況の下で、どのようにして豊かに暮らせる社会を作ることができるのかという問題だ。
「そのためには、新しい成長モデルを構築し、政治のあり方も変えなくてはいけません。社会保障にしても、若者にツケを残さないようにしなくてはいけない。国際社会で平和を享受するためには、日本が変わらないといけないこともあります」
33歳の進次郎氏にはたっぷりと時間がある。だからこそなおさら、将来に対する責任がその肩に重くのしかかる。しかしそれが負担になることはないだろう。進次郎氏は演説をこう言って締めくくったからだ。「一歩踏み出すことは希望だ。希望をもって納得できれば、どんな困難も解決できると思っています」。
進次郎氏は、アベノミクスを批判したわけではない。しかし、あえて「アベノミクスの先」を語ることにより、自民党が描く長期的な政策プランをアピールし、"長い目でみた自民党への支持"を訴えたといえる。そして、自身が日本を背負って立つことも、同時にアピールしているようにみえた。
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