(産業天気図・証券業)株式関連活況でも手数料競争は激化、幅広い金融機関との再編起こるか

政府は2004年度中に主要銀行の不良債権比率を半減させて、来春のペイオフ解禁に踏み切れるのか。この政策実現の確度が株価動向にも大きく影響している。証券界の2004年度業績をはかる尺度も、この株価動向次第である。
 2003年度は個人投資家が株式市場に戻ってきたおかげで、各社ともに株委託手数料収入が大幅回復し、ITバブル期並みの好業績となった。とくに年度後半は3大証券と三菱、みずほの銀行系証券が、ベンチャーを含むすべての上場企業によるエクイティ・ファイナンスによる資金調達が活発したことで、法人セールスにフォローの風が吹いた。
 個人と法人の株式部門が牽引する証券各社の業績好調ぶりは、今期も期待できそうだ。
ただ、それでも、手数料自由化によって、件数が急増しているわりに収益は稼げず、受注を勝ち取るための提案力など競争条件は年々厳しくなっている。
 他方、政府は株式売買を証券界だけではなく、銀行等金融機関にも認めるため、ガイドライン策定を急いでおり、年内にもメガバンクでの株式委託注文が解禁されれば、つれて
投信や変額年金など他の資産形成型商品も、銀行に注文が集中することがあり得る。こうした銀行界の証券分野への参入に対する証券界の有効な対抗手段は乏しく、独立系の野村証券や岡三証券などは、地方金融機関との一部資本提携など金融再編の前触れともなる事業戦略を打ち出す可能性が高まっている。
 2004年度は「証券以外の金融機関との提携を検討する第2ステージ」(大和証券グループ本社の原良也社長)というように、各証券会社は生き残りをかけて、さまざまな金融機関や事業会社とのアライアンス(戦略的提携)を仕掛け、場合によっては、M&Aも起きると予想される。
【古庄英一記者】

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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