朝型勤務を「夜型人間」に強いるのは違法? 長時間労働の削減にはつながりそうだが……
「もちろん、受験勉強のように、夜のほうが仕事に集中できる人もいるでしょうが、仕事は所定労働時間内に終えるのが原則です。
労働者側としては、残業を当然のごとく受け入れて『夜のほうがいい』と言うのではなく、 夜も朝も残業しないで済む勤務体制を目指して、人員の増加や業務量の削減などを会社に求めていくべきです。
その意味で、伊藤忠商事の試みは、『残業ゼロ』に向けた過渡的なものとして位置づけるべきでしょう」
「所定就業時間の変更」なら話は別!
ただ、強制するような事態に発展すると、問題はないのだろうか。
「伊藤忠商事のケースと異なり、いわゆる『9時~5時』だった会社が、午前6時始業~午後2時終業のように、所定就業時間を大幅に『朝型』に変更するのは、労働者にとって重大な不利益変更ですので、一方的に強行することは許されません。
また、人間の生体リズム(サーカディアン・リズム)は働き方に関わらず不変であり、午前3~4時に起床するような生活を続けると、血圧上昇等の健康障害をもたらすことが知られています。極端な『朝型勤務』はやめたほうがよいでしょう」
光永弁護士はこのように説明していた。自分の生活リズムとも向き合いながら、効率的に仕事をこなせる環境をつくることが大切になるだろう。
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