就活に焦った学生が陥りがちな就活塾の落とし穴 勧誘されて契約も、解約できずにトラブルに

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リクルートが運営する就職みらい研究所の調査によると2023年卒の3月1日時点の内定率は22.6%(前年同月比+5.0ポイント)と過去最高だった。企業の採用意欲が高く、採用早期化が進んでいる。こうした流れに乗っている学生は良いが、思うように就活が進んでいない学生は、周囲が好調であるだけに焦りが募る。

就活塾は焦った学生をターゲットにするので注意しよう。冒頭に述べたように就活塾は玉石混淆だからだ。就活生の立場になって良心的なサービスを提供する就活塾もあれば、就活生を食い物にする悪徳業者もいる。

専門学校ならば設立するための基準があるが、就活塾には設置基準がない。誰でも設立できる。就活塾の教員になるのに資格は必要ない。誰でも就活塾の教員になれる。こうした状況では残念ながら悪徳就活塾が存在するのはやむをえない。各自が注意するしかない。

「お金が無い」という断り方は避けたほうがよい。そう言うと就活塾からクレジットカード払いや借金を勧められるケースがある。断るときは「契約はしない」とはっきり伝えるしかない。

どうすれば契約の取り消しができるのか

断り切れずに契約したとしても、クーリング・オフや契約の取り消しができる場合があることを知っておいてほしい。

電話やメール、SNS 等で販売目的を明示されずに営業所等に呼び出されて契約した場合や、路上等で呼び止められ営業所等に同行させられて契約した場合は、特定商取引法に基づいてクーリング・オフができる可能性がある。

また、「一度帰って考えたい」などと退去する意思を示したにもかかわらず、退去できない状況に追い込まれて契約した場合や、「就活に失敗する」などと不安をあおられて契約した場合には、消費者契約法により契約を取り消せることもある。

ただでさえ忙しくてストレスの多い就活時期に、就活ビジネス関連のトラブルを抱えてしまっては就活に集中できない。もし、トラブルに巻き込まれてしまったら1人で悩むのではなく、独立行政法人国民生活センターや各地にある消費者センター、または大学のキャリアセンターなどに相談しよう。

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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