カシオがインドの売り上げを5倍にした理由 「G-SHOCK」だけじゃない!現地でヒット連発

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「自分は日本人だから、インドのことをすべて分かるのは難しい。だからインド人が求める製品の企画や営業は、社員にまかせています。自分に果たせる役割は、本社にいる日本人とインド人の気持ちを翻訳することだと思っています」(同氏)。

日本人とインド人の気持ちを「翻訳する」極意とは?

カシオではインドで販売する製品の企画や開発は本社と連携して行っている。インドの社員が思う存分仕事をできるよう、その橋渡し役を自認する。

インド人の気持ちを理解し、社員を鼓舞することが大切と語る、カシオインディアの中正男社長(ニューデリーのオフィスで)

そのためにはインド人の気持ちを理解し、社員を鼓舞しなければならない。「社員が考えていることはだいたい分かります。そして気持ちの翻訳にもポイントがあります。例えば、インド人は非常にロジカルなコミュニケーションを好みます。

例えば、社長の立場を活かして社員を体育会系のノリで押し切ろうとしてもまったく通用しません。言い負かされてしまうことだってあります」

では、ロジックで言い負かせばいいのだろうか?「それもまた違います。インド人はけんかになると譲りませんし、負かされるとプライドが傷つけられ、やる気をなくしてしまいます。とても気を遣いますよ」。

そこで、日本人に備わっているクッション力を発揮するのだという。「相手の言っていることに必ずしも同意できなくても意見を聞き、受け止め、相手の意図や真意を汲み取ります」。

相手に「自分は言い負かされている」というプレッシャーを与えず、自分がやってほしいと思っていることを、相手から引き出すようなコミュニケーションを図る。これがとても難しいのだが、「自分の意見が通ったら最後、彼らは『やらないといけない』となります。会議で負けて仕事で勝つ、です」。

こうして現地のアイデアを巧みに磨いていった結果、生まれたのがカシオインディアの、数々のヒット商品なのだ。

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