では、誰が危険だろうか。まず、思い浮かぶのは女性だ。日本人女性成人の平均体重は約50キログラムだ。一方、日本人男性の平均体重は約70キログラム、アメリカ人男性は約90キログラムだから、日本人女性は、日本人男性の1.4倍、米国人男性の1.8倍のワクチンが投与されていると考えることもできる。
われわれは、もし、コロナワクチンが致死的な副作用を生じるのであれば、男性よりも女性の頻度が高いと仮説を立てた。ただ、疾病などのストレスに対する抵抗力は、男性よりも女性のほうが強い。つまり、同じ条件なら、男性のほうがワクチンの副反応は強く出やすいかもしれない。男女の死亡率を単純比較しても、影響は推定できない。
注目したのは、男女の死亡率の比の経時的な推移だ。結果を図2に示す。
予想通り、男女の死亡率の差は、接種後1週間以内は女性のほうが高く、その後、減少し、2週間以降では、男性の死亡率のほうが高くなっていた。つまり、死亡率は時間の経過とともに変化していた。この変化は統計的に有意であり、偶然の影響では説明できない。ワクチン接種後1週間以内は、相対的に女性のほうが最悪の事態に至る危険度が高まる。過剰投与による副作用が影響している可能性については議論の余地がある。
安全性を高める対策が早急に必要
ちなみに、このような性差はアメリカや欧州のデータベースの解析では検出されなかった。欧米の女性は、一般的に日本人女性より大柄なため、体重あたりの投与量が少ないからだろうと私は考えている。
この研究は、コロナワクチン接種により、女性を中心に副反応で亡くなっていた可能性を示唆する。コロナワクチン接種で亡くなっていた人が多数いるのだから、問題は深刻だ。死亡例を見直し、ハイリスク群を同定し、ワクチン減量も含めて、安全性を高める対策を早急に講じなければならない。
個人レベルでの対応としては、主治医と相談することをお奨めする。感染予防のメリットと、副反応のリスクを天秤にかけて、判断してくれるはずだ。それぞれの状況に応じた柔軟な対応が必要だ。
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