本研究では、厚労省が公表した副反応情報、アメリカのワクチンデータベース「VAERS」、および欧州のデータベース「EudraVigilance」を用いた。いずれも公開情報である。
詳細は省くが、3つのデータベースすべてで、ワクチン接種後2日目に死亡の報告が増加していた。図1は日本のデータだ。
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ただ、これは報告バイアスの可能性がある。報告バイアスとは、ワクチン接種後、数日で亡くなった場合、本当は別の病気が原因だったのに、ワクチンとの関係を疑ってしまい、死亡例の報告が増えることをいう。コロナワクチン接種後の死亡の原因は心不全や脳卒中が多い。ワクチン接種後の死亡に特異的な死因はないため、このようなデータをいくら提示しても、結論はでない。
小柄な人には副反応が強くなる可能性がある
では、どうすればいいのか。われわれが注目したのは性差だ。ファイザー製のワクチンの投与量は、アジア諸国が参加していない国際共同第一相臨床試験に基づいて設定されている。
その結果は、アメリカ『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に2020年10月14日に掲載されている。この試験では、参加したボランティアを10マイクログラム(1マイクロは100万分の1)、20マイクログラム、30マイクログラムの投与群に振り分け、副反応の頻度を比較しているが、副反応は用量が増えるほど増加している。
例えば、18~55歳に対する2回目接種で発熱が生じた頻度は、それぞれ0%、8%、17%だし、倦怠感は33%、58%、75%、悪寒は8%、42%、 58%である。つまり、投与量を増やすほど、副反応は強くなるのだが、世界各国が承認した投与量は、人種、性別、体重に関わらず、1回あたり30マイクログラムだった。小柄な人には副反応が強くなる可能性がある。
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