「花粉の飛散が始まる日」を予報できる納得の理由 子どもが「算数好き」になる!統計知識6選
日本の電柱の本数はどうすれば推定できる?
正確な値を求めづらいときは、論理的ながい算「フェルミ推定」を。
【これがヒミツ!】
(1)統計をヒントにしてがい数を求めるフェルミ推定
日本全国の電柱は全部で何本? 1本ずつ数えるのは無理ですが、このように調査がむずかしい数値も、統計をつかえばがい数が出せます。これをフェルミ推定といいます。
(2)都市部とそれ以外では電柱の本数はちがう
電柱が立つ間隔を考えてみましょう。電柱は人が住むエリア(可住地)にありますが、都市部とそれ以外では数がちがうはず。ここでは可住地の半分が都市部と考えます。さらに可住地の都市部では家が多く電柱も多いので50m四方に1本、それ以外のエリアでは100m四方に1本と仮定します。すると、都と市部では1km^2に電柱は400本、それ以外でのエリアでは1km^2に100本あることになります。
(3)都市部の電柱+それ以外のエリアの電柱を計算
日本の可住地は、日本の面積約380000km^2の33%なので、125400km^2。半分を都市部として、62700km^2には1km^2につき電柱が400本、残りの半分には100本あります。62700×400+62700×100=31350000となり、約3135万本と推測できます。
サメの襲撃と自撮り中の事故、どっちの犠牲者が多い?
a サメの襲撃
b 自撮り中の事故
c どちらもほぼ同じ
自撮り中の事故で死亡した人数は、サメの襲撃による死者の5倍に上ぼる(※)。
【これがヒミツ!】
(1)思い込みが判断力をにぶらせる
サメの襲撃は映画でも描かれ、その恐怖を人は知っています。また、サメから逃げられる自信がある人は少ないでしょう。そういった予備知識や思い込みがあると、人間の脳はときどき、勘違いをします。
(2)実際は自撮り中の死者のほうが多い
実際はサメの襲撃による死亡より、自撮り中の事故による死者のほうがはるかに多いのです。この十数年で、自撮りは世界的な現象になりました。2011年10月~2017年11月の約6年間に、世界で少なくとも259人が自撮り中の事故で死亡しています。
(3)数字がきちんと事実を伝えてくれる
一方、同期間のサメの襲撃による死者は50人です。サメに襲われて死亡した人より、自撮り中の事故で死亡した人のほうが、5倍も多いとわかります。数値はきちんと事実を伝えてくれるので、先入観を捨てて統計データを見ることが大切です。
(※医学誌「ジャーナル・オブ・ファミリー・メディシン・アンド・プライマリー・ケア」より)
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