相手の気持ちを察し、自分本位を慎む--『誰も教えてくれない男の礼儀作法』を書いた小笠原敬承斎氏(笠原流礼法宗家)に聞く
──「察する文化」の再評価ということになりますか。
もともと日本人には慎むとか察するという気持ちがまずあった。だから、イエス・ノーがはっきり言えないとか、あいまいだとかいわれてきたのかもしれない。
今は、自分の気持ちを慎んで相手を大事にするということをなくしてしまって、まず自分の意見を相手に伝えればいいという風潮にあるような気がする。もちろん自分の意思をしっかり持つことは大事だが、相手をおもんばかることを現代の人々にも大事にしていただけたらいい。
(聞き手:塚田紀史 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年11月20日号)
おがさわら・けいしょうさい
東京都に生まれる。小笠原忠統前宗家(小笠原惣領家第32世)の実姉・小笠原日英尼公の孫。聖心女子学院卒業後、イギリスに留学。副宗家を経て、1996年に小笠原流礼法宗家に就き、700年の伝統を持つ小笠原流礼法初の女性宗家となる。現代生活に応じた礼法の普及に努めている。
『誰も教えてくれない男の礼儀作法』 光文社新書 735円 165ページ
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら