池上彰、18歳成年の時代に伝えたい「お金の基本」 子を持つ親も知っておきたいニューノーマル
生きていくために「お金」の知識が必要である理由
私たちの暮らしのそばには、いつも「お金」があります。モノやサービスの売買にも、働く人の給料にもお金が使われますし、毎日の食事や家、電気など、身の回りはお金が存在するからこそ成り立っているものばかりです。
大人になって働き始め、お金を稼げば、自ずとその使い道を考えることになりますが、お金には、モノやサービスの売買だけでなく、「納める」「貯める」「増やす」といったさまざまな使い道があります。例えば、道路などは大人が“納めた”税金をもとにつくられていますし、投資によって“増やす”こともできます。
「お金は未来をひらく道具」と言われます。でも、使い方次第で「良いもの」にも「悪いもの」にもなる。お金の貸し借りで衝突したり、お金をめぐって詐欺が横行したり、国と国とが戦争を起こすきっかけになったりもするわけです。また、お金を持つ人が偏れば、貧富の差も広がっていきます。
「お金」は人生を大きく左右するもの。だからこそ、「お金」というものの知識を得ることは、自分の生活を豊かにするだけでなく、社会や世界を理解することにもつながっていきます。これから大人になっていく子どもにまず親が教えるべきは、「お金は良いものにも悪いものにもなる」ということではないでしょうか。“当たり前だ”と思うかもしれませんが、それすら私たち大人はよく見失ったりしているのです。
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