側近も国民も「プーチン」止められない悲しい事情 プーチンを支えているのはどんな人たちなのか

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ロシアで最も重要な会議は安全保障会議だが、それを仕切っているのはプーチン自身。国防相はショイグである。彼は長く非常事態相を務め、国民の人気が非常に高いと言われているが、プーチン大統領とKGB時代からの「長い付き合い」があるわけではない。プーチン大統領の忠実な補佐役ではあっても、忠告できるかと言えば疑わしい。ショイグ国防大臣に残されている抵抗の手段と言えば、辞任くらいしかないが、ウクライナ侵攻を計画し、実行した人物がこのタイミングで辞職するというのは無責任でしかない。

結局、シロビキで最も経歴が長く、また権威があるのはプーチン大統領自身であり、高官の中でプーチン大統領に影響力を及ぼすことができる者はいないと言わざるを得ない。

プーチンに忠実である限りは安泰

経済エリートたるオリガルヒはどうか。エリツィン大統領の時代には、オリガルヒたちが陰の支配者となってロシアを動かしていたが、プーチン大統領が政権についたとき、ベレゾフスキーやホドルコフスキーといった邪魔なオリガルヒを速やかに排除し、プーチンに忠実でなければオリガルヒは生き残れないことを思い知らせた経緯がある。

今のロシアでは、プーチン政権に協力的でなければ生き残れない。しかし、プーチン大統領に忠実である限りは安泰なのである。

同時に、プーチン大統領は国営企業も自らの手で支配してきた。セチン「ロスネフチ」社長(石油産業)、チェメゾフ「ロステク」社長(軍需産業)、ロゴジン「ロスコスモス」社長(宇宙産業)、リハチョフ「ロスアトム」社長(原子力産業)といった国営企業トップは皆、プーチン大統領の忠実な部下たちであり、政府高官を務めてきた人々である。

このように政府、軍・治安機関、そして財界は持ちつ持たれつの運命共同体であり、その中心にプーチン大統領が存在する。そしてここ、巨大な官僚機構と、保守的で愛国的なロシア国民が加われば、現代ロシアが完成するのである。

ロシア政府は、強烈な対露制裁に対抗するため、撤退した外国企業の資産を国有化するという決定をし、さらに「非友好国」に指定した国々(日本も含まれる)に対する債務をルーブル建てで決済するとしている。ロシア政府は、とんでもないスピードで、常識とルールを無視したとんでもない対策を打ち出している。こうした対応を見ても、ロシア政府の一致団結した統制が垣間見えるだろう。大きなほころびは見えないというのが正直なところだ。

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