コロナ禍に23区を出た人が選んだ転居先トップ5 増減率1位「茅ヶ崎市」には一体何があるのか

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実際、市内のある小学校(全校児童数1500人超)では、コロナ禍前の2019年に行った運動会でパブリックビューイングを実施している。児童と保護者や祖父母を入れると運動会には5000人近い人が集まるため、グラウンドには敷物を敷くスペースが足りず、教室や体育館を開放。

グラウンドの様子を撮影し、教室のテレビや体育館の大型スクリーンに映し出し、保護者らはその映像を楽しんだというのだ。自分の子どもの出番が近づいたらグラウンドへ向かい、わが子を応援したり撮影する親もいたという。

人口減少・少子化で学校統廃合ばかりが注目されがちだが、ごく一部の人口急増地域ではこんな現象も起きているのだ。流山市の担当者に今後の見通しや政策について確認してみた。

2027年度にピークを迎える

「市の推計では令和9(2027)年度が人口のピークになるとみて、小学校の児童数、学級数の推計値と想定値を算出し、それにあわせて新設や増設といった対応を考えています。教育に関しては、今後は質の問題が課題だと市長は言っています。

(街づくり全般に関しては)これまではシティープロモーションを重点的に行ってきましたが、これからは市外の方には住みやすい街をアピールするとともに、住民の方には住み続けていただくことを念頭にブランディング活動に力を入れていきたいと考えています」(流山市マーケティング課)

茅ヶ崎、流山両市ともに人口急増に伴う政策課題を抱えてはいるが、現時点ではそれをはるかに上回る街の魅力が東京23区などからの転出者を惹きつけているのが現状だ。両市ともに都心との交通アクセスの良さ、自然環境に恵まれている点など地理的要因に恵まれている点はあるが、それだけでは人は集まってこない。

共通しているのは、プロ―モーション活動やWebマガジンなど街の魅力を「子育て世代」を中心にうまく発信し続けてきたこと。独自の街づくりと同時に他の自治体を凌駕する情報発信力が人口増をもたらした大きな要因ではないだろうか。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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