コロナ禍に23区を出た人が選んだ転居先トップ5 増減率1位「茅ヶ崎市」には一体何があるのか

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茅ヶ崎といえば湘南の海、サザンオールスターズのイメージだ。サザン通り商店街、茅ヶ崎サザン神社、サザンビーチちがさきなど、サザンゆかりのスポットが点在し、ファンは聖地巡りを楽しむ。

著名人も多い。俳優・歌手の加山雄三、元ドラゴンズ投手の山本昌広、日本人5人目の宇宙飛行士・野口聡一各氏など数多くの著名人を輩出している。作家の開高健(故人)も1974年から1989年に亡くなるまで同地を拠点に活動をした。

茅ヶ崎市は、地理的には東京から約50km、湘南エリアの中央部に位置し、東は藤沢市、西は平塚市、北は寒川神社がある寒川町と接している。戦後直後の1947年に神奈川県8番目の市となり、1989年には20万人都市となった。最新の人口は24万5734人(住民基本台帳=3月1日現在)。

海や里山の自然、カフェやマルシェなどを舞台に移住者と市民の交流を通じて市の魅力をまとめたプロモーションビデオ「あなたの『ちょうどいい』を ちがさきで」は2015年神奈川県広報コンクール最優秀賞を受賞した。市と地元メディアが制作している茅ヶ崎ライフスタイルWebマガジン「#ちがすき」は日本地域情報コンテンツ大賞2021の読者投票WEB部門で1位となり、情報発信に力を入れていることがうかがえる。

転入超過数は全国19位

そうした市の移住定住促進に向けた取り組みの成果もあるのだろう。2021年の転入超過数は2214人で全国19位、子育て世代比率(25~44歳)では65.4%で全国トップとなった。東京23区からの転入者数は1848人で、対前年増加率は44.0%で全国トップ。コロナ前の2019年と比べると89.5%もの増加率で、もちろん全国トップだ。

地元メディアなどに掲載された移住者のコメントをみると「海や里山など自然が豊かな茅ヶ崎は子育てがしやすい」という感想が目に付く。実際のところはどうなのか。茅ヶ崎在住30年の女性に暮らしやすさを聞いてみた。

「自然環境は言わずもがな、ですね。湘南の海だけでなく、北側の里山では野草摘みや家庭菜園が楽しめます。里山公園は子育てファミリーのパラダイスです。

主婦感覚からすると、スーパーマーケットが充実している点もうれしいですね。大手から激安系、地元展開店などのスーパー天国で、どこも品質が良い。もちろん地元のお魚屋さんも充実していますし、野菜も新鮮な地元産を無人販売所や朝市で購入できます。また、個人経営のカフェやごはんやさんが多いのも楽しいですね」

自然環境や生活環境の充実ぶりが伝わってくる。住環境はどうだろうか。

「茅ヶ崎といえば海に近い駅の南側に住みたいという声は多いですね」

ちなみに、南側で販売中の新築マンションの販売案内をチェックすると、駅から徒歩15分3LDK(66~75㎡)で4800万円台~6700万円台。一戸建ては駅からバスで5分、土地120㎡の4LDKの新築が5680万円という物件があった。単純には比較できないが、参考までに、23区の新築マンションの平均価格は8293万円(不動産経済研究所、2021年調査)だった。

実際、「都内で高い金を払ってマンションを買うよりも、自然環境のいい湘南の一戸建てを選ぶほうがいいというお客さんが多い」(地元の不動産関係者)という声もある。

街の魅力はまだまだある。茅ヶ崎在住30年の女性が続ける。

「海から里山まであまりアップダウンがないので自転車での移動が便利な点もありがたいですね。あと、湘南新宿ラインを使えば新宿まで直通で約1時間、横浜は東海道本線を使って約30分で行けます。温泉に行きたければ湯河原は電車で約40分、熱海、箱根は約50分の距離です。通勤にもレジャーにも便利な街です」

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