5歳児と防災学び見えた「子連れ避難」で必要な物 子ども用の「非常持ち出し袋」に入れる物は?

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そなエリア東京内のオペレーションルーム。発災時には緊急災害現地対策本部が設置される。映画「シン・ゴジラ」のロケにも使われた(筆者撮影)

当ツアーでは、マグニチュード7.3、最大震度7の首都直下地震が発生した想定で、発災から72時間を生き抜く知恵を学ぶ。72時間とは、国や自治体の支援体制が整うまでの時間で、この間は公的な支援に頼れず、自力で生き残るには、発災後に家や町で起こりうる危険や正しい避難行動を知らなければならない。

ツアーでは、被災地を再現したジオラマの中を、危険箇所や避難時の注意点に関するクイズを解きながら、避難場所まで移動する。

子どもにとって衝撃的だったこと

救急車のサイレンや緊急地震速報の音が鳴り響く薄暗い町を目の前に、娘は「地震が起きたら、町はこうなってしまうんだ」と驚いていた。なかでも、娘にとって衝撃的だったのは、地震で家が壊れることよりも、電柱が傾き、窓ガラスが割れることだった。

小さな子どもにとって、絵本やアニメなど物語で家が壊れることは想像できても、普段見かける頑丈な電柱や硬いガラスが割れることは、想像がつかなかったらしい。

「割れそうな植木鉢はどこ?」、「地震でマンホールはどうなる可能性がある?」などのクイズに答えながら、窓際で落ちかけている植木鉢や、液状化現象で浮き上がったマンホールのジオラマを確認していく。身近にあるものが、地震で危険なものに変わることを目の当たりにした。

避難場所も再現されている(筆者撮影)

ツアーを終えた娘は、「外では、倒れたり割れたりするものの近くはできるだけ通らないようにする」と話し、「地震が来ても、できたら避難所よりお家で過ごしたい」と話した。

となると、重要なのが自宅の備えになる。わが家には数年前に購入した防災リュックがあるが、最近見直しもしていない。また、防災リュックを持って逃げるにしても、コロナ禍で避難所の収容人数も限られるだろう。どの状態までは避難せず、家にいてもよいのだろうか。

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