5歳児と防災学び見えた「子連れ避難」で必要な物 子ども用の「非常持ち出し袋」に入れる物は?

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大人の非常持ち出し袋には、保存食や寝袋などいろいろと詰め込みたくなるが、実は普段食べているおやつを持ち出すだけでも数日は生きていける。食料よりも大事なのは、親子共に防寒着やレインコートを着て避難することだという。

わが家で作った子ども用「枕下ポーチ」の中身。大規模地震の場合、枕元に置いていても揺れで飛んでしまうため、枕の下に挟んでおく(筆者撮影)

「焦って薄着で家を飛び出しても、寒さや雨で体が冷えると長時間外で過ごせません。必ず防寒・防水のために上着を着て避難しましょう」(奥村さん)

ほかにも、夜中や明け方の地震に備えて、「枕下ポーチ」を常備するとよい。

「暗い中で地震が起きたら、辺りが見えず、物が散乱して危険です。ライトやスリッパ、ホイッスルをポーチに入れて、枕の下やベッドに挟んでおくのがおすすめです」(奥村さん)

自宅を安全な場所にする家具家電の固定と備え

しかし、内閣府も分散避難を呼びかけており、安全な場所にいる人まで避難する必要はない。自宅を安全な場所にするためにはどのような備えが必要なのだろうか。

内閣府の分散避難を呼びかけるチラシ

「耐震基準を満たしていても、タンスや本棚、家電を固定していないと、余震もあるため、家の中にとどまることができません。電子レンジなどの重い家電も、大地震では飛び落ちます。メーカーが販売している専用器具で、壁に固定すれば安心です」(奥村さん)

賃貸で壁に固定するのが難しい場合は、重い家電は低い位置に置き、家電用の耐震マット・耐震ジェルなどの上に置くなどの方法もある。

自宅に必要な備えは、水やライト、災害用トイレ、カセットコンロ、ガスボンベだ。水は、衛生面を考えて500mlを数本用意しておくとよい。さらに、「部屋に閉じ込められる場合もあるため、各部屋に分散備蓄しておくと安心」(奥村さん)だという。

取材後、テレビの固定具をメーカーから取り寄せた。購入時に付属品として入っていたはずだが、誤って捨ててしまっていた(筆者撮影)

ほかにも、日用品や普段食べているレトルト食品・乾物・缶詰を普段の買い出しで少し多めに買っておき、使った分だけ補充すれば無理なく備えておける。

またミルク育児をしている家庭では、調乳のための水や紙コップ、ガスボンベ、カセットコンロを備える必要がある。

可能であれば普段から液体ミルク(『「液体ミルク」を自治体が「防災備蓄」する深い意義』)も使用し、紙コップと共に備えておくと、火や水が使えない場所に避難することになっても安心だ。

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