5歳児と防災学び見えた「子連れ避難」で必要な物 子ども用の「非常持ち出し袋」に入れる物は?
では、実際に自宅で地震に遭ったとき、まずどうすればいいだろうか。
「近年、ガスは震度5以上の揺れを察知して自動で止まります。ですので、まずは親子共に机の下に身を隠しましょう。ただ、吊り下げ式の照明や額縁など、机の近くに落下しそうなものがあるなら、家具などのない廊下の方が安全な場合もあります」(奥村さん)
揺れが収まったら、念のため火元をチェックし、空き巣防止のために窓を施錠する。
「家にとどまる場合、私ならまずお風呂に水を溜め、非常持ち出し袋をチェックします。避難するならブレーカーを切り、ガスの元栓を閉め、施錠して、エレベーターを使わず階段で避難しましょう」(奥村さん)
子どもを園に預けている時間に発災した場合は、どうすればいいのだろうか。園までの道中で、道がふさがったり、火災が起きている可能性もある。
「園の方針に従いお迎えに行きますが、スムーズに移動できない場合もあります。園にはどのような備えが何日分あるのか、園から避難するなら避難場所・避難所はどこか、事前に園の防災マニュアルを確認しておきましょう」(奥村さん)
「備えができる残り時間は誰にもわからない」
最後に、親子で防災意識を高め、万一のときに少しでも落ち着いて行動するには、普段どのようなことを心がけたらよいのだろうか。
「防災グッズになるものを、普段の生活で使うことです。子どもも、普段から懐中電灯やヘッドライトを触っていれば、災害時に自分で使うことができます。ほかにも、暗闇の中で過ごしてみるとか、避難所まで散歩しながらブロック塀など倒れそうなものを確認するとか、日常生活の中で自然と防災を取り入れることが大切です」(奥村さん)
東京臨海広域防災公園の澤副センター長は、「地震や災害は、問答無用で命を奪う。東日本大震災から5年ほど経ったとき、被災地の方から『われわれはしなくてもいい苦労をしている。未来の被災地の人たちには、しなくていい苦労の代わりに、今のうちに備える努力をしてほしい』と言われました。この言葉は防災に携わる者として、私の支えになっています」と話した。
私たちはまだ、家族を守るために努力できる時間を与えられている。家を安全な場所に整える、普段の買い物で日用品のストックを少し多めに買う、そして非常時の行動を家族で確認しておく、そういったことの積み重ねが家族の防災につながる。災害が起こるまで、あとどれくらい時間が残っているかは誰にもわからない。だからこそ、今できることから始める必要がある。
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