日経平均は悲観の中で底値形成中の可能性がある 投資家はウクライナ侵攻長期化で何をすべきか
今年に入ってからの立会日数は41日(3月4日まで)だが、日経平均は上昇日数19に対して、844円安、790円安、841円安などの大幅安日を含む下落日数は22となっている。
その結果、4日の引け値2万5985円に対して、25日移動平均2万6915円(下方乖離率3.46%)、75日移動平均2万8028.64円(同7.29%)、200日移動平均線2万8425円(同8.58%)と、大きな乖離ができてしまった。
移動平均は、いわば売買コストでもある。現段階では25日(短期)・75日(中期)・200日(長期)で見たほぼすべての投資家に評価損が出ていることになる。
とくにこのところは、いちばん近い2万7000円前後に位置していた25日移動平均線付近での「やれやれ売り」に跳ね返される始末だ。多くの投資家は、その上にある75日線、200日移動平均線という上記で触れた株価を「しばらく抜けないのでは」という失望を抱いている。
しかし、この25・75・200日移動平均乖離率の合計値である「総合乖離」は−19.33%と、1月27日の−25.01%に次ぐ水準まで大きくなっている。この1月27日は市場が初めて「3月の資産縮小開始」の影を感じた日で、前日比841円安の2万6170円となり、長期投資家からも失望の売りが出た日だった。
その後の動きは周知のとおりで、2月10日の2万7696円へ上昇する。その後はウクライナ戦争の始まる2月24日の2万5970円まで、「予想で売られる」厳しい展開となったわけだ。
投資家は今ここで何をすべきか
一方、3月5日開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)において、国防費の前年比7.1%増が示された。これは3年ぶりの高い伸びで、ロシアを見習い、再び軍拡に移ったようだ。
アジアでは北朝鮮のミサイル発射など、ウクライナ戦争が遠いところの出来事ではないという雰囲気もある。ますます投資家の気持ちを萎縮させることばかりだ。だからこそ、企業業績の増益基調にもかかわらず日経平均予想のPER(株価収益率)は12倍台に沈み、ゼロ金利の日本とは思えないほどの配当利回りを誇る企業が乱立している。
実際、日経平均の下値と思われた1月27日の2万6170円はブレークされた。また2月24日の2万5970円も、3月4日の引け値ではかろうじてこらえたが、7日はあっさりと割れるかもしれない。
しかし、このダメ押しが買い場となれば、「三点底」という強力な底値を形成する可能性もある。前回の本欄に書いたとおり、市場は修羅場を何度も乗り越えてきた。あまり悲観せず、したたかな投資家になろうではないか。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら