「鎌倉殿の13人」が3月から俄然盛り上がる2つの訳 ついに“菅田義経"と“大泉頼朝"が対面する
3月以降の前半戦が期待できる最大の理由は、文字通り「役者がそろった」から。
主役の小栗旬さん演じる北条義時を筆頭に、大泉洋さん演じる源頼朝と菅田将暉さん演じる源義経の兄弟。佐藤浩市さん演じる上総広常、中村獅童さん演じる梶原景時ら坂東武者。さらに、甲斐源氏の棟梁で八嶋智人さん演じる武田信義、信濃源氏の棟梁で青木崇高さん演じる木曽義仲、頼朝の叔父で杉本哲太さん演じる源行家などの源氏がそろい踏みし、戦や政治工作で勢力争いを繰り広げていきます。
とりわけ注目度が高くなるのは、源氏同士の勢力争いでしょう。第9話の予告映像に、武田信義の「頼朝を出し抜いてやったわ」、源義経の「父上の敵を討ちとうございます」というセリフがピックアップされていますが、まさに源氏同士で行われるサバイバルバトルの幕開け宣言。必ずしも大義を必要とせず、身内との戦も辞さない時代が舞台の、大河ドラマならではのシビアな物語がいよいよはじまっていきます。
さらに西田敏行さん演じる中世日本最大のトリックスター・後白河法皇も、源氏同士の勢力争いに関与。大きな影響を及ぼし、いくつもの悲劇を生み出してしまうなど、これまで以上にフィーチャーされ、前半戦の重要人物となるでしょう。
一方、女の戦いも、源頼朝をめぐる政子(小池栄子)、八重(新垣結衣)、亀(江口のりこ)の物理的な距離感が近づき、より火花が飛び交う関係性に突入。さらに、夫・北条時政(坂東彌十郎)の現状に不満のりく(宮沢りえ)、思わぬ恋に進む実衣(宮澤エマ)、父・頼朝と恋のはざまで揺れる大姫(南沙良)らの姿も話題を集めそうです。
ここから源頼朝のギャップが炸裂する
そして前半戦が盛り上がるもう2つの理由は、源頼朝の変化。
ここまでの源頼朝はボヤキが多く、逆ギレもするほか、夢に現れる後白河法皇に翻弄されるなど、小人物のように描かれてきました。その後、挙兵するも石橋山の戦いであっさり敗れ、安房に渡ったあとも、坂東武者との交渉を北条義時らに任せっぱなし。また、流人の身でありながら八重、北条政子から思いを寄せられ、その後、亀にも好かれるモテ男という軽い人物像が続いていました。
しかし、これ以降が源頼朝の真骨頂であり、ここまではそれを際立たせるための前振りに過ぎません。「平家打倒を果たすためには、坂東武者に頼らなければいけない」という状況でありながら、いわゆる寄せ集め軍団である彼らのことを信用しきれず、それが「怖い源頼朝」の顔を引き出していくことになるでしょう。
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