バブル再現?「内定者囲い込み」最前線

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入社意思を「オヤカク」

小寺氏によると、内定を出した企業が学生の親に入社の意思確認をする「オヤカク」もみられるという。A美さんも、内定先から親に対して直接連絡こそなかったものの、それに類した体験をした。

「全員参加必須の研修で家族からの『応援メッセージ』の提出を求められました。入社の意思を外堀から埋められているような気がしました」

過剰ともいえる採用活動がある一方、都内の中小サービス企業採用担当者は「小さな会社はお金をかける余裕がない」と打ち明ける。

「内定者とこまめに連絡を取り、入社前のグループ課題で内定者同士のつながりを強めるなど、地道な努力を重ねています」

都内の中小インフラ会社人事担当者もこうこぼす。

「内定者懇親会の回数を増やすなど努力はしているが、大手に決まると逃げられてしまいます」

東京都が主催した中小企業対象のある合同面接会に参加した就活生数は今年、昨年の1千人から340人と大幅に減少。都の担当者は、こう説明する。

「売り手市場は学生にとってはいいことだが、中小企業ではかなり人手が不足している」

一方で、就活生側でも二極化は進んでいる。売り手市場とはいえ、企業の内定式が終わった10月末でも内定ゼロの就活生もいる。都内の「無名私大」に通うC男さん(23)は、昨年度はついに就職先を見つけられず就職留年、現在2回目の就活中だ。昨年の就活と比べると、周りの友達は絶好調だが、自身の状況は芳しくない。

「留年の負い目もあり、面接で自分をアピールできない。就活に向いていないのだと思います。売り手市場の実感は全くないのに、周りの人は内定をもらう数も多く時期も早まっている。もらえる人ともらえない人との格差が拡大していると感じます」

(ライター:寺山さくら)

※AERA 2014年11月24日号

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